2017年10月2日 (仮訳)中国およびタイ産のニクアツベニサラタケ属菌 Ekanayaka, AH. et al., 2017. The genus Phillipsia from China and Thailand. Phytotaxa. Available at: http://www.mapress.com/j/pt/article/view/phytotaxa.316.2.3 [Accessed October 2, 2017]. 【R3-04446】2017/10/2投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ニクアツベニサラタケ属菌の形態学的検討および分子系統解析を実施し、形質比較表を掲載した。 タイから子嚢盤が大型で紫赤色、子嚢胞子が無色楕円形でゼラチン質の鞘に包まれることなどで特徴づけられるP. gelatinosaを新種記載した。 また、中国からP. subpurpureaを報告し、本種の子嚢胞子がゼラチン質の鞘に包まれることを初めて示した。 Thailand, Chiang Mai Province, Mushroom Research Center (新種) Phillipsia gelatinosa Ekanayaka, Q. Zhao & K.D. Hyde 語源…ゼラチン質の(子嚢胞子がゼラチン質の鞘に包まれることから) 【よく似た種との区別】 Phillipsia domingensis(ニクアツベニサラタケ) 子嚢盤のサイズの範囲が重なる 子嚢盤が帯紫色 子嚢盤が盤状 子嚢盤が無柄またはやや柄を有する 托が帯クリーム白色 子嚢が類円筒形で長い柄を有する 子嚢が準有弁 子嚢胞子が子嚢内部で1列に配列する 子嚢胞子が無色 子嚢胞子表面に縦方向の畝を有する 子嚢胞子に油滴を含む 側糸の幅の範囲が重なる 側糸が糸状 側糸に隔壁を有する 托髄層が絡み合い菌糸組織からなる ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢のサイズが小さい 本種と異なり子嚢が8胞子性ではなく4胞子性 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子が楕円形で頂部が丸いのではなく楕円形で尖る 本種と異なり子嚢胞子がゼラチン質の鞘で包まれない 本種と異なり子実層が無色ではなく桃色、紫色、帯紫褐色 本種と異なり子嚢胞子表面の縦方向の畝の数が4-6ではなく6-8 本種と異なり側糸が時に橙色色素の小粒を含むという特徴を欠く 本種と異なり托外被層が絡み合い菌糸組織ではなく表皮状菌糸組織 ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phillipsia subpurpurea(ムラサキチャワンタケ) 子嚢盤が紫赤色 子嚢盤が無柄またはやや柄を有する 托が白色~帯クリーム色 托が革質 子嚢が円筒形で長い柄を有する 子嚢が8胞子性 子嚢が準有弁 子嚢胞子が子嚢内部で1列に配列する 子嚢胞子のサイズの範囲が重なる 子嚢胞子に油滴を含む 子嚢胞子がゼラチン質の鞘に包まれる 側糸の幅の範囲が重なる 側糸が糸状 側糸に隔壁を有する 托髄層が絡み合い菌糸組織からなる ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりタイではなく中国などに分布する 本種より子嚢盤のサイズが小さい 本種と異なり子嚢盤が盤状ではなく杯状 本種と異なり子実層が無色ではなく帯黄色 本種より子嚢の幅が広い 本種と異なり子嚢胞子が楕円形で頂部が丸いのではなく楕円形で尖る 本種と異なり子嚢胞子表面に縦方向の畝を有するのではなく平滑または微かな条線状 本種と異なり托外被層が絡み合い菌糸組織ではなく厚壁菌糸組織~表皮状菌糸組織 ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Phillipsia subpurpurea Berk. & Broome ムラサキチャワンタケ 【よく似た種との区別】 Phillipsia domingensis(ニクアツベニサラタケ) 形態的に類似している(同種とされたこともある) 子嚢盤が紫赤色 子嚢盤が無柄またはやや柄を有する 托が白色~帯クリーム色 托が革質 子嚢が円筒形で長い柄を有する 子嚢が8胞子性 子嚢が準有弁 子嚢胞子が子嚢内部で1列に配列する 子嚢胞子に油滴を含む 側糸の幅の範囲が重なる 側糸が糸状 側糸に隔壁を有する 托外被層の構造が類似している 托髄層が絡み合い菌糸組織からなる ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢盤のサイズが大きい 本種と異なり子嚢盤が杯状ではなく盤状 本種と異なり子実層が帯黄色ではなく桃色、紫色、帯紫褐色 本種より子嚢のサイズが小さい 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子表面が平滑またはごく微かな2-3本の条線を有するのではなく縦方向の畝を有する 本種と異なり側糸に色素を有する 本種と異なり托外被層が厚壁菌糸組織~表皮状菌糸組織ではなく表皮状菌糸組織 ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phillipsia gelatinosa 子嚢盤が紫赤色 子嚢盤が無柄またはやや柄を有する 托が白色~帯クリーム色 托が革質 子嚢が円筒形で長い柄を有する 子嚢が8胞子性 子嚢が準有弁 子嚢胞子が子嚢内部で1列に配列する 子嚢胞子のサイズの範囲が重なる 子嚢胞子に油滴を含む 子嚢胞子がゼラチン質の鞘に包まれる 側糸の幅の範囲が重なる 側糸が糸状 側糸に隔壁を有する 托髄層が絡み合い菌糸組織からなる ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国などではなくタイに分布する 本種より子嚢盤のサイズが大きい 本種と異なり子嚢盤が杯状ではなく盤状 本種と異なり子実層が帯黄色ではなく無色 本種より子嚢の幅が狭い 本種と異なり子嚢胞子が楕円形で尖るのではなく楕円形で頂部が丸い 本種と異なり子嚢胞子表面が平滑または微かな条線状ではなく縦方向の畝を有する 本種と異なり托外被層が厚壁菌糸組織~表皮状菌糸組織ではなく絡み合い菌糸組織 ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される